グローランサ備忘録

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マルキオン教徒について考える際の注意点をいくつか

特定の好き嫌い

マルキオン教徒は一般的には神々に不信感を抱いている。マルキオン教は祖先崇拝の流れが強く *1 、マルキオン教徒は祖先を神々を凌ぐほどの力を持たせたり、あるいは神々を単なる超人的な英雄や国をまたぐ祖霊 *2 に貶めたりしてきた。神々への礼拝をすべて拒否する宗派もあれば、特定の神々に例外を設ける宗派もある。例えば、第二期において神知者はチャラーナ・アローイ、イサリーズ、ランカー・マイといった光持ち帰りし者たちのカルトを中部海洋帝国中に広めた。神々を崇拝しない宗派であっても、マルキオン教徒以外による神々への礼拝を弾圧することはほとんどない


他の神々を崇拝するほとんどのカルトはザブール・カーストのメンバーを軽蔑し、恐れている。ザブール階級は、(ザブール階級が目指しているように)神々を自らを極めた者たちだと考えている。彼らは神々を同輩だと考えているのである。神々を礼拝する者は、自分より劣った者、成し得なかった者である、と。当然ながら、こうした考え方は、神々を崇拝する人々とザブール階級の間に大きな摩擦を引き起こす。


マルキオン教徒は古の種族を全般的に不信・嫌悪しているが、これも特定の宗派によって例外とされることが多い。マルキオン教徒はすべての古の種族を、オーランス人ら丘陵の蛮族や混沌のモンスターと一緒に「カージョールク」というカテゴリーで括っている。


マルキオン教徒は悪の力を認め、それを「悪魔」the Devil と呼ぶ。悪魔は混沌の神である。悪魔は見えざる神を忘れた最悪の存在である。生命の驚異の力を自分自身に敵対させ、その過程で世界を破壊しようとしたからである。


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タラー階級はマルキオンの長男の直系の子孫であり、彼らは王、英雄、そして神々といった祖先を、見えざる神の至高の力につながるものとして尊崇している。最も古い祖先は神々の子であり、子孫に代わってエレメンタルの神々や諸王に取り次ぐことができる。したがって、タラーは自分の血統を注意深く学び、過去の世代の指導者と現代をつなぐ役割を果たさなければならない。


死後、タラーの遺骸は地中に埋葬される。墓の上には塚や社などの建造物が建てられるのが一般的である。子孫の間では、特定の先祖を崇拝することが一般的である。第一期では、セシュネラ人の王墓が神聖な複合施設として宗教活動の中心であった。ゼメラ、フレストル、ガーラント、テイロールなどのカルトは、現在ではマルキオン教のすべてのカーストが礼拝している。


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西方グローランサの人々は、騎士や城、一神教徒といった話やイラストはあっても、彼らはキリスト教徒やイスラム教徒のような印象は全くない。個人的な不老不死のプロジェクトは、世俗的な科学主義に対するコメントとして、いつも私を驚かせる。*3 しかし、このプロジェクトが新たに展開されたことは喜ばしい。


マルキオンの人間主義 *4 のもとでは、人間は自分以外の存在を礼拝することなく、神々の創造力を行使することができるし、そうすべきである、世界は人間の理性と論理だけで説明し、理解し、習得することができる、とされる。


これはグローランサでは過激な発言である。ゼイヤラン人、ルナー人、プラックス人らは、それを狂気の傲慢と見なす。古の種族はそれを暗黙の脅威と見なしている。



(A few notes about things to keep in mind when thinking about the Malkioni より)


*1:ancestor worship

*2:multinational ancestors

*3:意味不明。The project of personal immortality always struck me as a comment on secular scientism.

*4:humanism。マルキオン教を特徴づけるものとされる