グローランサ備忘録

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1627年から1629年にかけての「革命」

その間にドラゴン・パスで起こったことは、グローランサの歴史の中でも最も大きな革命であった。当初、サーター王国は崩壊寸前で、部族間の争いで自らを引き裂く勢いだった。しかし、1629年の終わりには、ドラゴン・パスと旧聖王国を支配する勢力を確立した。


さらに注目すべきは、サーター人が赤の皇帝と“剃刀”ジャ・イール率いるルナー軍に立ち向かい、完膚なきまでに打ち負かしたことである。ルナー騎兵はプラックス人とサーター人の気迫あふれる騎兵隊に、ルナー魔術学院は新サーター魔術協会に圧倒されるなど、ルナー軍のあらゆる戦力に匹敵する軍隊でこれを行った。さらに悪いことに、サーターは自国の英雄である“狂戦士”ハレックと“罪深き”グンダを現出させた。


この「英雄たちの戦い」は、あなたのキャンペーンの壮大な瞬間となるはずだ。ルーン王、シャーマン、ルーン司祭、戦士、癒し手、トリックスター、啓発者、魔道士——グローランサにおけるクルクシェートラ戦争 *1トロイア戦争ガウガメラ、その他あなたが想像するどんな壮大な戦いにも相当する戦いに、全員が参列する機会を得るのである。


そのあと、グローランサは変貌を遂げる。アーグラスはインカーネと結婚し、ドラゴン・パスの王となる。英雄たちは大活躍し、怪物や古の種族を倒し、新しいドラゴン・パス王国が長く記憶に残る栄光の瞬間となることを可能にする。


これにより、冒険と英雄のオーランス人たちは黄金時代を迎え、ドラゴン・パス王は赤の皇帝と比肩する存在として競い合う。しかし、もちろん、黄金の時代には終わりがあるものだが……。



そうして1629年以降、舞台の主要な部分は変化している。サーターは統一され、富と権力を持ち、強力な騎兵とサーター魔術協会がある。サーターの公王は羽馬の女王と結婚し、ドラゴン・パス王であり、聖なる同盟(あるいは彼の聖王国の同盟をどう呼ぶかだが)のリーダーである。ファーゼストが公王の手に落ちるのは時間の問題だ。冒険者たちは、怪物と戦い、魔法を獲得し、公王の権威を高めるために送り出される。プラックス人の獣はコルドロス島やオスリル沿いのトウモロコシ畑で草を食べるようになった。


一方、ルナー帝国は巻き返しを図るが、長期的な危機を迎える。内戦と危険な内省。そしてもちろん、赤の女神が黒の相に変わるとき、我々は彼女が常に回り続けていることを意識しなければならない。常に死んでいるものはない。そして、死者でさえも生き返る。


1629年以降を比較するならば、ペンドラゴンの「征服」フェイズと「トーナメント」フェイズに匹敵する。


「英雄たちの戦い」は、キャンペーンを締めくくるにふさわしい壮大なものになる。キャラクターたちは精霊、エレメンタル、ルーン魔術で沸き立つ戦場で、偉大な敵と戦うことができる。決着がつき、キャラクターは華麗に死ぬことも、勝利のために生きることもできる。『イーリアス』や『マハーバーラタ』を思い浮かべてほしい。


「英雄たちの戦い」は、プレイヤーにとって壮大なイベントとなるはずだ。生き残ることができれば、あなたはアーグラスの仲間、つまり円卓の騎士、この新しいドラゴン・パス王国の建設者のひとりになれる可能性が高いのだ。


「戦い」の参加者は、サーターとルナー帝国の錚々たる顔ぶれ。赤の皇帝、ジャ・イール、深鍋エルウリン、ファランドロス、アーグラス、ハレック、グンダ、“黄金の歯の”ジャルドン、“黒い槍の”レイカ、ヴァマスタル・グレイスキン *2 、そして風の王、嵐の声、剣の王、ストーム・カーン、ルーン王などなど、棒切れでもいいくらいの人数が参加しているのだ。


このような感じである。

「戦い」の後、周知のようにルナー軍はシェン・セレリス時代以来の大敗を喫した。


赤の皇帝はファーゼストへの道を逃走した。彼はバグノットと第2ファーゼスト軍団をバグノットに残した。


サーター人の死傷者は比較的少なかった。アーグラスはバグノットを攻撃したが、その後、ハレックによってファーゼストへの進軍を阻まれ、黒馬領を攻撃する約束を思いだした。こうしてサーター人は敵なきままダンストップまで進軍した。アーグラスは両都市に守備をつけた後、グレイズランドに向かい、ミューズ・ルーストに対する有名な作戦を開始した。グレイズランドにいる間、アーグラスは羽馬の女王に会って求愛し、彼女のために仲間を使役させた。白い雄牛は羽馬の女王の魅力と策略にほだされたという。


一方、赤の皇帝はファーゼストに留まることなく、ミリンズ・クロスに逃げ込み、さらにグラマーに向かった。聖祝期に、彼はグレート・シスターに殺害され、ルナー内戦が始まった。


大局的に見れば、ルナー帝国は明らかにアーグラスを甘く見ていた。1602年頃のサーター王国のような伝統的な反乱を相手にしており、英雄の1人や3人はいるかもしれないが、と考えていたのである。それどころか、魔術部隊でも完全に劣勢に立たされた。赤の皇帝はエギに責めを負わされ、その結果、いけにえに捧げられた。


しかし、他の壮大な合戦のように、独白、哲学的、神秘的な演説などがたくさんあったことだろう。早く他のプレイヤーのグループを送り込みたいものだ。


(The Revolution of 1627-1629 – The Well of Daliath より)