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マルキオン教の魔道について

マルキオン教徒は、「ルーン」(蛮族からは神として崇拝されている)を創造した見えざる神を尊崇する。ルーンが他のルーンと組み合わされて、より小さなルーンが創造された。これらの小さな創造物のひとつである建国者マルキオンは、見えざる神の法則を人間に明らかにした。この抽象的な見えざる神は、崇拝者に直接的な魔術を与えることはほとんどないが、神の法則の知識は魔術師に世界の他の部分を定義し操作する力を与え、物質を宇宙的蒸留 *1 の原料に変えた。マルキオンは神々の戦いで反乱を起こした神々に殺された。マルキオン教徒の魔術師は、他の場所ではすべてを支配していると信じられている神々の同意なしに、宇宙を形作るようになった。


マルキオン教の魔道は、特定のルーンに以下の原則のいずれかを適用することで成立する。

  • 召喚/退去(Summon/Dismiss)
  • 支配(Command)
  • 結合/分離(Combine/Separate)
  • 切開(Tap)


マルキオン教の魔道では、物事を正しく識別することが非常に重要となる。好んで用いられる手法の1つが系統学的なもので、先行するルーンを特定することでその物が何であるかを判断する。


例えば、デバルダン魔道学派 *2 では水のルーンを研究している。その呪文には、《水の召喚》Summon Water(水のエレメンタルを召喚する)、《祖なる水の召喚》Summon Progenitor of Water(現在の水のエレメンタルを用いて、特定された「祖先の水」を召喚する)、および《[パワールーン]と水の結合》 Combine Water with [Power Rune] が含まれる。ほとんどのマルキオン教徒にとって切開は不道徳かつ邪悪なものとされているが、デバルダン学派は《水の切開》を教えている(いずれにせよ、この呪文(切開)はマルキオン教徒が用いる論理的技法から容易に導き出される)。


神知者はグローランサの神話対する詳細な理解を通じて、匠的な効果を発揮した。たとえばある魔法戦争では、神知者は具体的に特定した水のエレメンタルを召喚し、それを使ってある海神を、あたかも他のエレメンタルのように召喚した。そして、死霊術師的な力を使わせ悪魔学的な行いをさせ、その海神に父神を召喚させた。そして、その父神に命じて、その別の子である天空の水の神タニアンを召喚させた。そして、「燃える水」などあり得ないと思っていた無防備なウェアタグ人に、タニアンを放ったのだった。


(Malkioni sorcery | Moon Design Publications より)


*1:cosmic alembic

*2:Debaldan School of sorcery