グローランサ備忘録

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グローランサの「第四期」について

これはグローランサの「第四期」を打ち砕くことを意図しているわけではありませんが、私たちの『グローランサ年代記』の資料について少し見てみましょう。私はこの本を編集し、改訂版ではグレッグと一緒に仕事をしているので、解読の輪を持っています(そして改訂版では、私たちの解釈を導き出すのに十分な情報があることを確認しようとしました)。


この『サーターの王』(グローランサ年代記)の匿名の作者は、英雄戦争から600年から1000年後のどこかで執筆しています。彼は、英雄戦争から1〜3世紀後に始まる長い「無文字時代」の後に書かれた多くの文献をもとに執筆しています。この暗黒時代は300年ほど続いたと筆者は考えていますが、600年ほど続いたと主張する人もいます。これについてはよくわかりません。


著者はその時代には文字がなかったと言っていますが、私たちが実際にわかるのは「その時代の文献が著者には何もなかった」ということだけです。この暗黒時代は約250年前に終わり、年代測定ができるようになりました。


つまり、この著者は、古典期のギリシャ人が英雄時代の出来事を整理するように物事を見ているのです。トロイア戦争は600年前かもしれないし、100年前かもしれない。誰でも物語は知っているが、一次資料はほとんどない。


この貧しい著者は、アーグラスの神格化の年代をいろいろと述べています。1658年かもしれないし、1733年かもしれない。インカーネ女王は1743年まで生きているのかもしれないし、1843年かもしれない。 私たちにはわかりません。ただ、文献資料がなくなるまで、アーグラスの神格化から少なくとも1世紀はあることは分かっています。アーグラスの後、ドラゴン・パスに支配者がいたことは分かっていますが、それが公王なのか、ドラゴン・パス王なのか、聖王なのか、何なのかは分かっていません。


重要なのは、『ドラゴン・パス王』はアーグラス以降の歴史について意図的に大雑把で矛盾していることです。


《ネタバレ》「合史」はトゥキディデスのようにかなり正確で、1640年ごろに編纂されたものです。一方、『アーグラスのサガ』はアーグラスの神格化から3~4世紀後に編纂されたものです。ホメロスの『イーリアス』とミケーネ人、エギルの『サガ』とエギル・スカラグリムソンと同じように、事実は記述された出来事からかけ離れたものです。注釈を付ければ、アーグラスのサガは、意図的な繰り返しや矛盾などがあるものの、英雄戦争のガイドとしてはかなり優れています。


さて、英雄戦争から600~1000年後、アーグラス公王が 「歴史を終わらせ、赤い月を空から引きずり下ろした」ことは周知の事実です。「空から太陽が落ちても、怪物が攻めてきても、氷河が来ても、それに耐えてきた帝国が、彼の手によって滅ぼされた」ことも知っています。また、英雄アーグラスは「現代の神話の源流」であり、民間の人気ドラマ大会はアーグラスとその仲間を題材にしていることなども知っています。


そして、こんな素敵な一文もあります。「古い支配階級は、反乱軍を倒すときに『死を恐れず』という詩を好んで引用した。その詩はもともと、アーグラスが大戦闘の前に即興で作ったものと言われている。」 この "古い支配階級 "は無文字時代の人かもしれないし、無文字時代以降の人かもしれない。長い時間が経過している。


つまり、英雄戦争から600年から1000年後、英雄アーグラスはこの著者たちにとって、神話的・文化的な基礎となる人物となっていることがわかります。


ジェフ・リチャード

英雄戦争のダンスに参加しよう

英雄戦争の主要キャラクターであるアーグラス、ハレック、羽馬の女王、ジャ・イール、赤の皇帝のダンスは、この時代の舞台を動かすエンジンとなっています。あなたのキャラクターもこのダンスに参加できる、それが1625年を舞台にする大きなメリットのひとつです。RQGの冒険者は、1625年から1628年にかけて、どの出身者であっても、これらの登場人物全員と直接交流することが十分にあり得ます。また、キャンペーンの方向性によっては、誰とも関わらないということもあり得ます。


この時期のドラゴン・パスには、他にもたくさんの英雄が活躍しています。“罪深き”グンダ、“黄金の歯の”ジャルドン、“深鍋”エルウリン、カリル・スターブロウ、非人間の王、エシルリスト卿、大ドワーフ、鉄の蹄、キーナー・ザン、クラグスパイダー、ディレクティ、などなどです。これらの英雄のいずれか、あるいはすべてを、ライバル、味方、敵、あるいは師としてゲームに織り込んでいくことができます。


私にとって、これこそがRQGの最大の発展です。すべての始まりとなったその舞台でついにプレイできるようになったのです。


1621年より1625年の方が、より簡単に始められると思います。そうすれば、「風の静止」、「聖王国戦争」、「真竜の目覚め」のようなものをスキップすることができるのです。解放されたばかりのサーターから始めて、その上に積み上げていくのです。


「真竜の目覚め」から「女王たちの戦い」までは、主に一人の第二級の英雄(カリル)が相手となり、第一級の英雄はボードの外に存在しますが、第一級の英雄(ジャ・イール)がゲストとして登場することもあります。王国がどのように機能しているのか、そして、それが崩壊しそうになるのを見ることができます。基本的には、第一級のヒーローが登場するまでの1年間をご覧いただきます。


5人の主要人物はいずれも複雑なヒーローで、さまざまな経歴、カルト、経験を持っています。また、年齢もかなり幅があるので、1625年には

  • 羽馬の女王は20歳(!)。
  • アーグラスは29歳。
  • ジャ・イールは37歳(ただし22歳に見える)。
  • ハレックは主観的には45歳ですが、実際は140歳。
  • 赤の皇帝は何歳かわからない。現在の仮面は18年間統治している。しかし、赤の皇帝は375年前から存在する。


アンドロギュウスは後から現れます(1633年頃)。ドラゴン・パスに入ると、彼/彼女はアーグラスと赤の帝国の双方に問題を起こします。アンドロギュウスは複雑な人物である。彼は多くの苦しみの原因であると同時に、苦しむ人々の永遠の召使いでもあります。


ロード・オブ・ザ・リング』を思い浮かべるのではなく、ローマを思い浮かべてください。ユリウス・カエサルポンペイウス・マグヌス、クラッススクレオパトラマルクス・アントニウス、そしてオクタヴィアヌスが登場するのです。彼らは何かをしていますが、私たちのキャラクターが活躍するチャンスはいくらでもあります。


あなたのキャラクターも、この英雄たちの一員となって英雄戦争に参加することができるのです。新しいキャラクターのためのスペースは十分にあります。そして、第二級の英雄でも、それほど苦労せずに簡単に入れ替えが可能です。


ドラゴン・パスはまさにグローランサの「るつぼ」です。あらゆるものがそこに集約されているのです。

1627年から1629年にかけての「革命」

その間にドラゴン・パスで起こったことは、グローランサの歴史の中でも最も大きな革命であった。当初、サーター王国は崩壊寸前で、部族間の争いで自らを引き裂く勢いだった。しかし、1629年の終わりには、ドラゴン・パスと旧聖王国を支配する勢力を確立した。


さらに注目すべきは、サーター人が赤の皇帝と“剃刀”ジャ・イール率いるルナー軍に立ち向かい、完膚なきまでに打ち負かしたことである。ルナー騎兵はプラックス人とサーター人の気迫あふれる騎兵隊に、ルナー魔術学院は新サーター魔術協会に圧倒されるなど、ルナー軍のあらゆる戦力に匹敵する軍隊でこれを行った。さらに悪いことに、サーターは自国の英雄である“狂戦士”ハレックと“罪深き”グンダを現出させた。


この「英雄たちの戦い」は、あなたのキャンペーンの壮大な瞬間となるはずだ。ルーン王、シャーマン、ルーン司祭、戦士、癒し手、トリックスター、啓発者、魔道士——グローランサにおけるクルクシェートラ戦争 *1トロイア戦争ガウガメラ、その他あなたが想像するどんな壮大な戦いにも相当する戦いに、全員が参列する機会を得るのである。


そのあと、グローランサは変貌を遂げる。アーグラスはインカーネと結婚し、ドラゴン・パスの王となる。英雄たちは大活躍し、怪物や古の種族を倒し、新しいドラゴン・パス王国が長く記憶に残る栄光の瞬間となることを可能にする。


これにより、冒険と英雄のオーランス人たちは黄金時代を迎え、ドラゴン・パス王は赤の皇帝と比肩する存在として競い合う。しかし、もちろん、黄金の時代には終わりがあるものだが……。



そうして1629年以降、舞台の主要な部分は変化している。サーターは統一され、富と権力を持ち、強力な騎兵とサーター魔術協会がある。サーターの公王は羽馬の女王と結婚し、ドラゴン・パス王であり、聖なる同盟(あるいは彼の聖王国の同盟をどう呼ぶかだが)のリーダーである。ファーゼストが公王の手に落ちるのは時間の問題だ。冒険者たちは、怪物と戦い、魔法を獲得し、公王の権威を高めるために送り出される。プラックス人の獣はコルドロス島やオスリル沿いのトウモロコシ畑で草を食べるようになった。


一方、ルナー帝国は巻き返しを図るが、長期的な危機を迎える。内戦と危険な内省。そしてもちろん、赤の女神が黒の相に変わるとき、我々は彼女が常に回り続けていることを意識しなければならない。常に死んでいるものはない。そして、死者でさえも生き返る。


1629年以降を比較するならば、ペンドラゴンの「征服」フェイズと「トーナメント」フェイズに匹敵する。


「英雄たちの戦い」は、キャンペーンを締めくくるにふさわしい壮大なものになる。キャラクターたちは精霊、エレメンタル、ルーン魔術で沸き立つ戦場で、偉大な敵と戦うことができる。決着がつき、キャラクターは華麗に死ぬことも、勝利のために生きることもできる。『イーリアス』や『マハーバーラタ』を思い浮かべてほしい。


「英雄たちの戦い」は、プレイヤーにとって壮大なイベントとなるはずだ。生き残ることができれば、あなたはアーグラスの仲間、つまり円卓の騎士、この新しいドラゴン・パス王国の建設者のひとりになれる可能性が高いのだ。


「戦い」の参加者は、サーターとルナー帝国の錚々たる顔ぶれ。赤の皇帝、ジャ・イール、深鍋エルウリン、ファランドロス、アーグラス、ハレック、グンダ、“黄金の歯の”ジャルドン、“黒い槍の”レイカ、ヴァマスタル・グレイスキン *2 、そして風の王、嵐の声、剣の王、ストーム・カーン、ルーン王などなど、棒切れでもいいくらいの人数が参加しているのだ。


このような感じである。

「戦い」の後、周知のようにルナー軍はシェン・セレリス時代以来の大敗を喫した。


赤の皇帝はファーゼストへの道を逃走した。彼はバグノットと第2ファーゼスト軍団をバグノットに残した。


サーター人の死傷者は比較的少なかった。アーグラスはバグノットを攻撃したが、その後、ハレックによってファーゼストへの進軍を阻まれ、黒馬領を攻撃する約束を思いだした。こうしてサーター人は敵なきままダンストップまで進軍した。アーグラスは両都市に守備をつけた後、グレイズランドに向かい、ミューズ・ルーストに対する有名な作戦を開始した。グレイズランドにいる間、アーグラスは羽馬の女王に会って求愛し、彼女のために仲間を使役させた。白い雄牛は羽馬の女王の魅力と策略にほだされたという。


一方、赤の皇帝はファーゼストに留まることなく、ミリンズ・クロスに逃げ込み、さらにグラマーに向かった。聖祝期に、彼はグレート・シスターに殺害され、ルナー内戦が始まった。


大局的に見れば、ルナー帝国は明らかにアーグラスを甘く見ていた。1602年頃のサーター王国のような伝統的な反乱を相手にしており、英雄の1人や3人はいるかもしれないが、と考えていたのである。それどころか、魔術部隊でも完全に劣勢に立たされた。赤の皇帝はエギに責めを負わされ、その結果、いけにえに捧げられた。


しかし、他の壮大な合戦のように、独白、哲学的、神秘的な演説などがたくさんあったことだろう。早く他のプレイヤーのグループを送り込みたいものだ。


(The Revolution of 1627-1629 – The Well of Daliath より)


ルナー軍の組織についての覚書

Martin Helsdonが『Armies and Enemies of Dragon Pass』でより詳しく取り上げているのは承知しているが、ルナー部隊をゲームに登場させたいライターやGMのために、いくつか覚書きを。


ルナー軍のハートランド軍団のほとんどは、25人の兵士を列隊 *1 として構成されており、各列隊は6人の一般兵と1人の旗手または分隊*2 からなる3つの分隊 *3 (やや紛らわしいが「半列隊」とも呼ばれる)で構成されている。列隊には、1人の士官、守護 *4 、および士官の補佐役2名が付く。守護は士官の指揮下にあり、彼らは列隊のために呪文を唱える。守護は常に追加の魔力ポイントが与えらている。


守護が唱える一般的な呪文は、《加速》《機敏》《早足》《かすみ 4》《火剣》《防護 4》《活力》などである――特定の呪文は、その連隊の伝統によって異なる。


士官と守護は、ほとんどの場合、七母神かヤーナファル・ターニルズのカルトのメンバーである。その将校を "大尉" *5 と呼ぶこともできるが、おそらく"列長"と呼ぶのが適当だろう。


通常4つの列隊で中隊 *6 または「百人隊」 *7 にまとめられ、一人の士官が率いる。便宜上、その将校を「中隊長」 *8 または「百人長」 *9 と呼ぶことにしよう。中隊長は連隊長が任命するのが最も一般的だが、赤の皇帝やその代理人が任命することもあるし、兵士が選挙で選ぶこともある。中隊長はほとんどの場合、ヤーナファル・ターニルズのカルトのメンバーである(そのカルトのルーン王であることも多い)。中隊長は2人の補佐、上級守護(多くの場合はルーン司祭)、旗手、そしてその中隊に伝統的に存在する他の仲間によって補佐される。


10個中隊は連隊、たとえば「マーブル・ファランクス」、「銀盾隊」などにまとめられる。連隊長は赤の皇帝またはその代理人によって任命され、ほとんどの場合、ヤーナファル・ターニズのルーン王である。連隊長はルーン司祭(連隊のカルトの司祭)、数人の補佐官、旗手など、個人的な従者を持つ。


つまり、あなたのゲームでは、従来の4~6人のプレイヤーキャラクターによるパーティと、ほぼ同数のルナー兵(7人)で対抗することになる。そしてGMとしては、分隊長以外の兵士をすべて同じステータスにすればいいのである。もっと厳しくしたければ、将校、守護、補佐2人などを追加すればいい。


こうすることで、スケールアップがとても簡単になる。本当に厳しくするなら、連隊長が従者の一部(ルーン王が選りすぐりの部隊を率いる)を送り出すとか、そういうことをすればよい。

Martin Helsden氏のコメント: 私の推測は少し違っていました。7人の列隊は5人の兵士と上級兵士である列長、その副官である半列長で構成される。

最小の戦術単位である小隊は、3つの列隊から構成される。単独で行動する場合は、下士官(多くは百人長の側近の1人)と、ベテランが多い上級兵2人、守護(監視官 *10 とも呼ばれる)が1小隊に配属される。

守護という言葉は、出版された資料から。


実は、(ギリシアの)ファランクスの「列」には一般的な構成人数はなかった。「スティコス」 *11 つまり列は、8人から16人、あるいはそれ以上から成る。25人の兵士からなるルナー隊が列隊と呼ばれるのは、そこから派生したものだからだ。しかし、現在の設定では明確に3分隊から構成され、将校によって調整される。おそらくそれは、ルナー軍が極めて柔軟な自己改革を余儀なくされた第3ウェインと第4ウェインに発展したものだろう。


ルナーの小部隊編成については、実はルーンクエスト2版の古い『Pavis』本の「ゆりかご」シナリオにライトアップされている。そこでは「プラトゥーン」(小隊) *12 と呼ばれているが、グレッグの本ではその単語をスクラッチして「file」に置き換えていた。おそらく、私たちがグレッグにプラトゥーンという言葉が実に時代錯誤であることを話したからだろう。


25人の部隊を列隊と呼ぶか、小隊と呼ぶかは重要ではない。個人的には、小隊の語源が砲撃からきているので、小隊と呼ぶのは好きではないが、正直、それは大きな問題ではない。


私がギリシャの軍事組織の名称を見るのが好きなのは、それがあまりに不正確で一貫性がないからである。


(A few notes on Lunar Army organization – The Well of Daliath より)


*1:file

*2:つまり7人で1分隊

*3:detachments

*4:the guardian

*5:lieutenant

*6:company

*7:hundred

*8:captain

*9:centurion

*10:Monitor

*11:stichos

*12:platoon

フレーラー・アマーリ

ギョベクリ・テペ *1 が再び話題になっているが、これはグローランサでそれに相当する、グローランサの「第一神殿」であるフレーラー・アマーリ *2 。について話す良い機会だと思った。フレーラー・アマーリは、神々の時代にエネラリ族が“植物の王”フラマルが殺害された場所を示すために建てたものである。


『Guide to Glorantha』にはこんな記載がある。

神々の都はラリオスとセシュネラの間の紅の平原 *3 にある。神々の戦いでフラマルが殺害された場所である。そのため、ジェナーテラで最も神聖な場所の1つとなっている。


フレーラー・アマーリは、九大神の寺院として機能していた。フラマルの死後、エネラリ族はフラマルの神殿を建て、さらにフラマルの遺体を運んだアーナールダとゼンサの神殿を建て、九大神を鎮めることにした。


この場所の神聖さを保証するために、司祭は決して働かず、神々自身から食べ物や必要なものを与えられていた。また、この場所の神聖さは、黄色いローブを着ている限り、そこにいる、あるいは途中の巡礼者や司祭を守る誓約によって維持された。寺院には常に口寄せ役が存在し、その時々に担当する神々のために行動していた。180年、ゼイヤランの光持ち帰りし者たちは、フレーラー・アマーリでオーランスが9人の中で最も強力な存在であるヒューマット *4 の別名であることを明らかにした *5 。その一世代後、セシュネラ人がスラーマクに大きな寄進をし、水をなだめるようになった。その後、より小さな神々の寺院が加えられていった。


その栄光は、ヴェイデル人の魔道と呼ばれる特に下劣な堕落した魔法のよって崩れ去り、寺院は今日まで廃墟のまま残っている。



「曙」の時点で、エネラリの4部族(コリオニ、ウートン、フォルナオリ、ヴストリ)がダンガン同盟を形成していた。彼らは狩猟と馬耕、そしてガータ*6 とフラマルの恵み(狩猟採集と新石器時代の農耕の混合)で生活し、エヒルムカ湖とフェルスター湖周辺の豊かな土壌を掘削棒で耕していた。金属加工はほとんどなく(ただし宝飾品は装飾物として加工していた)、石や骨で道具を作っていた。後にセシュネラ人と金属製品を取引し、さらに後にはゼイランの宣教師から青銅器加工を学んだ。


エネラリ族は戦争で石斧と弓を使い、族長は神聖なガラニン族のポニーが引く戦車から戦っていた。馬はエネラリ族にとって特に神聖な動物で、宗教的な祭りの一環として馬の肉を食べた。エネラリ族はフェルスター湖畔に豊富に生息する野生の馬を狩る際に馬に乗ったが、当初は馬に乗って他民族と戦うことはなかった(馬車の車台の上から戦うことはあったが)。エネラリ族がセシュネラ人の重騎兵から身を守るために馬で戦うようになると、馬上での戦いが一般的になった。


ダンガン同盟の司祭は氏族間のすべての紛争を裁く役割を果たしたが、氏族自体はその族長によって統治されていた。フレーラー・アマーリでは毎年司祭が馬の生贄を捧げ、競馬を行い、選ばれた身代わりを彼らの土地から追い出し、踊りと歌を披露し、すべての神と女神が参加する手の込んだ祝宴を催していた。


さて、10年ほど前、グレッグがギョベクリ・テペ に行き、結局、私にそれに関する本の山をくれた。だからフレーラー・アマーリを考えるとき、ギョベクリ・テペを頭に浮かべるのは正しいことなのだと思うのだ。


(Hrelar Amali – The Well of Daliath より)


*1:トルコの紀元前1万年から紀元前8000年の新石器時代の遺跡。穀物栽培に先立つ時代で、今のところ栽培植物や家畜の痕跡は見つかっていない。ギョベクリ・テペ - Wikipedia

*2:ラリオスにある遺跡

*3:Crimson Plain

*4:Humat

*5:第一期、光持ち帰りし者たちの宣教はこのような形で進められていった。

*6:原文は Mata だがスペルミスだと思う

RQGのキャンペーンをするなら何処で?

ご存知のように、ドラゴン・パス/聖王国/プラックスの出身地が、RQGのデフォルトです。これらは、昔のボードゲーム「白い熊と赤い月」、「遊牧民の神々」、そして未完の「運命と死の支配者」で探索された地域だ。ここは英雄戦争の震源地であり、文化の重要な交差点であり、潜在的なキャラクターとストーリーの良い切り口を与えてくれるだろう。


しかし、RQGのキャンペーンに最適な舞台は、これだけではない。私のお気に入りは他にもいくつかある。


ルナー・ハートランド。ルナー帝国は、次の世代で大きな激動と変化を遂げようとしている。戦争、内紛、宗教の変化など、ルナー帝国がこの100年以上の間に経験した中で最も刺激的で英雄的な時代になるだろう。

そして素晴らしいことに、『ルナーのカルト』 *1 が発売されれば、『Guide to Glorantha』、『Glorantha Sourcebook』、『ルナーのカルト』さえあれば、ルナー・ハートランドのキャンペーンを作ることができるようになるのだ。*2


タラスター・ルナー属領地オーランス人、ルナー帝国、そして混沌、のすべてを備えている。たくさんの混沌。さらにトロウル、狂気のエルフ、そして秘密のドワーフも登場するかもしれない。繰り返すが、カルト本が出れば、必要なものは揃う。『Guide』と『Sourcebook』を手に入れれば、準備は万端である。*3


セイフェルスター。ラリオスの反目し合う諸王たち、都市国家群、諸部族は、多くの可能性を秘めている。オーランス人、太陽礼拝者、スンチェン、トロウル、エルフ、ドラゴニュート、そしてドワーフ。またマルキオン教徒もたくさん。ロカール派、暗黒異端派、ボリスト派、ガルヴォスト派、様々なアーカット教団などなど。おそらく、ケイオシアムが『見えざる神』の本を完成させないと、本当に簡単にはできないだろう。この本を完成させる十分な理由がある。


ロスカルム/アケム/ジョナーテラ。『見えざる神』の本を完成させなければならないもう一つの理由。軍国主義的なユートピア、蛮族の王、不死で不道徳な魔道士、それに戦争王国、愛の都、トナカイ飼いたち!


そして最後に、海洋探検交易ゲームはきっと楽しいと思う! *4 ノチェット、ハンドラ、メリブ、クラロレラ、フォンリット、ウマーセラをリンクさせよう。遺跡を探検し、魚人と交渉し、緑の海を見つけるまでイエローサブマリンを航行させる *5 。狼の海賊と青の魔神にはくれぐれもご注意を! *6


(Other RQG Campaign settings - the Well of Daliath より)


*1:「Gods of Glorantha」に入っている、はず…。分冊されないよね…。

*2:たぶん言い過ぎである。

*3:たぶん言い過ぎである。

*4:would be a blast.

*5:sail that Yellow Submarine until you find the Sea of Green. 何を言ってるんでしょうか

*6: 同人サプリの Pirates of East Isles でだいぶ実現されている気もする

ルナーの神々

Katrin Dirimによる、もう一つの *1 Work in Progress。これは様々なルナーの神々の関係を示している。知らない人にはちょっとした驚きがあり、鋭い人には様々な秘密がわかるのではないだろうか。



アーティスト、Katrin Dirim


Q: テクニカルな質問。グラマーは赤の皇帝の第一の霊感ですが(皇帝の娘のヤーラ・アラニス、ホン・イール、ジャ・イールと並んで描かれている)、赤の皇帝はグラマーの父親ではなく、夫なのでは?
A: 赤の皇帝はグラマーの夫ではない。グラマーは赤の皇帝によって世に明らかにされた、「月の息子の第一の霊感」である。グラマーは赤の皇帝の創造物である。そして詩人たちから娘、妻、恋人などと賞賛されている。なお、彼女の母親の名がないことに留意せよ!

スペースの都合で、ジャ・イールがホン・イールの子孫かつ赤の皇帝の子 *2 という素晴らしい部分を削らなければならなかった。


Q: 「赤の女神はイェルムの娘」だと主張するんですか? 
A: 主張? そんなの当たり前だろう! なぜ「主張」などと言うのだろう?


Q: 武器から落ちる血の量が違うのは、何か意味があるのでしょうか? 
A: ルナーの宗教では、確かに多くの流血が起こっている。ティーロ・ノーリの生贄やゴゴーマとの関係、ヤーラ・アラニス、ホン・イールなど、血の生贄は宗教に組み込まれてると言えるかもしれない。ルナーの宗教は、多くの人間の生贄を必要とするのだ。
また、私たちが大好きなローマやメソポタミアの神殿とは違って、このような様子の神殿もある。


出典:ウィキメディア・コモンズ


Q: イサリーズは赤の女神の神殿と関係があるだろうか? オーランス神族とは緊張関係にある?
A: イサリーズはオーランスとエティリーズ両方と友好関係であり、七母神に対しては中立的な立場である。一般的にイサリーズは、混沌を除くすべての存在に友好的。
しかし、ここで重要なのは、エティリーズがイサリーズの娘であることを皆が認識していることだ。それが何を意味するかは議論の余地があるが、その関連性を疑う者はいない。


Q: RQGでは、ナーザ *3 。やゲーラ *4 のような「古代の月の女神」は登場するのでしょうか?
A: ゲーラやナーザは、カルトというより名前だ。カルトを持つ実体の神々はこのページにある通りだ。
たしかにナーザやゲーラには小さなカルトがあり、ほとんどのルナー人は彼女らが赤の女神の前世の姿であると考えている。ナーザもゲーラもゴゴーマと赤の女神、そして他の月の神々と結びついている。しかし、これらのカルトは非常に小規模である。
ディーゾーラはゲーラをのカルトほとんど吸収してしまった。ゴゴーマもゲーラよりはるかに知られている。ゲーラは、ダンファイヴ・ザーロンとも明らかに結びついている。しかし、これらのカルトは、今やゲーラよりもはるかに大きく、重要な存在になっている。*5


私は、メイズ、ナイトライト、トワイライト *6 がルナー神族の一員であることを視覚的に示すことができたことが、何より嬉しいと思う。そして、七母神がルナーの秘密への入り口であることを視覚的に表現している。


また、ここで紹介したカルトたちは、ついに『Cults of Glorantha』に公式のフル・ライトアップが収録されることになることも覚えておいてほしい。


(Lunar Deities – The Well of Daliath より)


*1:他のシリーズもあります

*2:Jar-eel’s descent from Hon-eel and then looping back to the Red Emperor

*3:神代の月の女神で、古代ペローリアで信仰されていた下弦三日月の女神

*4:神代の月の女神で、苦痛による解放の女神

*5:つまり、ヒーローウォーズや HeroQuest の扱いとは違い、RQGでは古代の月の女神たちを実在のカルトとしては扱わないということだろう。

*6:いずれもホン・イールがヒーロークエストで産んだ子ら