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魔道


では、魔道についてお話しよう。まず明らかなのは、「他の魔術システムとは大きく異なる」ということだ。精霊魔術では、あなたが意識を集中する(焦点具を通して)方法を知っている精霊がいる。そしてそれはその精霊ができる範囲で効果を発揮する(剣を鋭くする、自分を強化する、人を癒す、などなど)。


ルーン魔術では、あなたは神の力のかけらを振るう。あなたは神を物質世界のなかに導くために演技をする。その一瞬の間だけ、あなたは物質界における神の顕現となる。そのため、神とのつながりを維持しなければならず、行動が制限され、神に時間や資源(物質的にも精神的にも)を捧げなければならない。


魔道はそのようなものではない。魔道は「学ばなければならないもの」であり、学ぶには困難が伴う。広大な「記憶の宮殿」 *1 を構築し、神々の時代のなかの点と精神的なつながりを作ることを学ばなければならない。その多くは暗記学習で、何年もかかる。


それから呪文を学ぶ。この「記憶の宮殿 」をむすびつけて物質界に効果をあらわす注意深い道筋である。この方法の限界は明らかである ――学ぶのは時間がかかり、呪文を学ぶのは難しい。ごく一部の人だけがこの方法を学ぶ時間の余裕がある(そして残りの社会によってサポートされる必要がある)。


しかし、利点はなんだろうか? それは神や精霊を必要としない。自分が習得できる(あるいは創造できる)どんな呪文でも唱えることができる。


では、ごく一部の専門家だけが魔道を学べるのであれば、ほとんどのマルキオン教徒はどうやって魔法を使うのだろうか?


簡単だ。タラー階級も兵士階級も労働者階級も、ほとんどは精霊魔術とルーン魔術を併用している。例えば、タラー(支配者)階級は他の階級のマルキオン教徒に命令を出すことができる。また、祖先を崇拝し、彼らから魔法を得ることができる。ただ精霊魔術へのアクセスは制限されている。ホーラル(戦士)階級は所属する連隊や戦闘結社から精霊魔術を学ぶことができ、戦神のカルトに属することができる。そしてドロナー(労働者)階級はタラー階級が認めたカルトに参加することができる。


しかしもちろん、マルキオン教徒であれば、選択肢はタラー階級の命令によって制限される(ザブール階級が直接的に制限するわけではない)。タラー階級がオーランスを礼拝してはならないと言えば、それは事態を悪化させることになる。これはドロナー階級よりもホーラル階級の方が大きな制限となる(たんに、ドロナーが皆を養い仕事をする限りにおいて、彼らに頼むことは稀であるため)。


Q: ええと、時々そう聞くんだけど、魔道はINTで呪文の強度を操作するために、思考を空っぽにする必要があるんだとか。つまり、他の呪文を "忘れ "て(記憶の宮殿にしまって)、新しい呪文を唱えるときには1時間かけて〈瞑想〉する必要があるんだ。しかし、もし冒険に出ていて、ほかにすべきことがたくさんある場合はどうすれば?


A: 私の答えは簡単だ。あなたはザブール階級なのだ。あなたは魔道の専門家、つまり大学の研究教授に相当する人だ。あなたの日常的な必要を世話するために、ホーラル階級とタラー階級がいるはずだ――あなたの護衛も含めて!


Q: 真に偉大な魔道士は、おそらく真に強力な精霊を呪縛することができる? 
A: 呪縛された精霊や大型(あるいは超大型)のエレメンタルは、マトリックスに呪縛され、解放され、のちに再度支配される。



ルーンカルトの中には――特にランカー・マイ――魔道に手を染めていて、彼らの呪文は情報を得るのに非常に有用である。魔道に手を出すことはプレイヤー・キャラクターには可能だが、本格的な魔道士を演じることは困難である。もちろん、女王種トロウルやドライアドを演じることが可能であるように、それは可能ではあるが。


もしあなたが魔道士を演じたいなら(ランカー・マイやチャラーナ・アローイのような単なる道楽ではなく、本物の魔道士を意味する)、他のゲームとは非常に異なる種類のゲームでプレイすることになる。あなたはできることを事前に準備してから物事に飛び込み、それからどんな新しい秘密を得ることができるかを見るようにした方がいい。なぜなら、物事というのは、象牙の塔よりも、ずっと物事が速く起きるからだ。


あるいは、象牙の塔から出て、準備ができていようといまいと、今世界でできることをすると言うのだ。そして、彼らがそれをどう考えるか見てみよう。


(Sorcery – The Well of Daliath より)