グローランサ備忘録

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アーグラスと大荒野

禿鷹の地の向こうには、広大なジェナートの荒野が広がっている。禿鷹の地は乾燥した悪地だが、大荒野には草原や潅木地が広がっている。ルナーは禿鷹の地に渡った部族は死へと向かうと確信していたが、現実にはおそらくプラックス人全体の3分の2が大荒野地方にいると思われる。しかし、大荒野は過酷な土地である。ワッハの司祭は、プラックス人は大荒野で試され、清められると主張する。そうして初めてプラックスにふさわしい者となるのだ。


バイソン族の奴隷となったアーグラスは、「大きな歯の丘」 *1 、「カージョールク沼沢地」、「吠え猛る嵐」 *2 のあいだの地域に辿り着く。彼は銅の砂漠や彫像の台地といったものも目にした。大荒野では精霊や神々を見ることを学んだ。アーグラスは大荒野で生き延びる術を学んだ。水や食料を見つける術、銅の砂漠や荒れ狂う嵐を生き延びる術を。自由を手に入れ、バイソン部族に受け入れられると、彼はプラックス人と同じように獣に乗り、生き延びることができるようになった。


第一次ムーンブロス会戦の後、バイソン族とインパラ族は多くのハイ・ラーマ族とともに大荒野に集団で移住した。大荒野で10年を過ごした後、1621年以降これらの亡命者が戻ってくるようになった。ソル・イールは、ルナーの指揮官としては常に最も賢い人物の一人であったが、プラックス人の総数は10万人を超えないと推定していた。後継者のハルシオンはもっと少なく、6万人程度だと考えていた。もし彼らがプラックス人が40万人近くいると知ったら、その衝撃は想像に難くないだろう。



グレッグ・スタッフォードのスケッチマップ


アーグラスはバイソン族の奴隷として5年、新パヴィスに向かうまでの3年間は正式な部族の一員として、バイソン族のために働いていた。合計で8年間を大荒野で過ごしたことになる。


Q: その間、アーグラスはテシュノスやペントに行ったことはあるのだろうか。 A: 確かに彼にはそうする時間はあった。


大荒野での滞在は入信儀式の延長であり、特に世界周回と合わせて、オーランスの力を発現させるための鍵だったのではと推測する者もいる。


(Prax and the Wastes – The Well of Daliath より)


*1:Vast Teeth Hills。カージョールク沼沢地の北西に位置する。

*2:Raging Storm。カージョールク沼沢地や銅の砂漠をおおう嵐。ストーム・ブルそのひとだと言われる。