新パヴィス王アーグラス
1625~26年頃のパヴィスとプラックスについて、少し考えてみた。ご存知のように、新パヴィスには国王“白い雄牛の”アーグラスがおり、白い雄牛のカルト、新パヴィス王立守備隊、サーター人、狼の海賊の冒険者、傭兵たちに支えられている。新王の主な富の源泉は、ルナーから都市を奪ったときに奪った財宝である(さらに言えばルナーはその多くを大廃都から奪っていた)。
これはサマルカンド *1 やバルフ *2 のように、遊牧民の部族に支えられた支配者だと考えてほしい。もちろん、新パヴィスは遊牧民のカーンにとって一流の商品の供給源となるため、遊牧民の動きも変化する。バイソン族やインパラ族が勢力を伸ばすのにあわせてオーランス、ストーム・ブル、ワッハが興隆する一方、セーブル族は他の遊牧民に対して証立てねばならないことがたくさんあるだろう。
次の世代はプラックス人にとって大きな変革の時代となる。多くのプラックス人がドラゴン・パスやペローリアで白い雄牛のために戦い、多くはプラックスに戻ることはないだろう。新しいカルトが登場し、いくつかの古いカルトは(少なくとも相対的には)衰退し、他のカルトは新たな勢力を獲得する。プラックスのカーンたちがオーランス信者の公王の友邦、助言者として仕え、光持ち帰りし者たちとプラックス人たちは、第一期以来見られなかったほどの関係を持つようになる。
※ ※ ※
アーグラスの 「王」という名乗りは、おそらく次のような根拠からであろう。
- オーランスのカルトによる「王」(Rex)の称号の授与 *3 。
- パヴィスのカルトによる承認。
- 建国王サーターからの血統(つまりドラサールとの遠縁)。
- もちろん、ルナー帝国から新パヴィスを奪取したことによる権利。
アーグラスのパヴィス解放の動機は、次のような組み合わせである。
- 長年住んでいた場所であり、盟友がいる。
- プラックス人の支持を固めるために、パヴィスを手に入れる必要があった。
- ルナーの拠点を後方に残しておくわけにはいかなかった。
- ドラゴン・パスへの良い足がかりになる。
ルナーからの略奪が主な財源だとしたら、それは継続的な財源とは言えない。また、大廃都からの略奪は非常に頼りないものだ。それは征服の特質ではある。ただ、ルナーの財宝庫は(特に、吝嗇家のハルシオンがため込んでいたことを考えると)アーグラスに従う者たちへの報酬としては十分すぎるほどだったと思われる。
(Pavis and Prax circa 1625-1626 - Well of Daliath より)