グローランサ備忘録

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ボールドホーム占領とルナーの財宝庫

新しい昇月の寺院は属領地の魔法と宗教の中心となる予定だったが、ボールドホームは依然としてルナーの行政中心地であった。


ドラゴン・パスの地方総督 *1 (ユーグリプタス、ファザール、タティウス)は、その地における赤の皇帝の代理人として、属領地総督 *2 の監督下に置かれていた。地方総督は軍事、宗教、文民の機能を兼ね備え、個人的なスタッフによって補佐された。地方総督の主な責務は、ドラゴン・パスとその周辺におけるルナーの権力を確保し、拡大することであった。


地方総督は可能な限り財政的に自立し、税や通行料を徴収し、ドラゴン・パスに配置された多くの兵士に支払うためにさまざまな貢物を課した。1625年、ドラゴン・パスには約15,000人のルナー兵がいた。また、1613年から1625年にかけては、地方総督は10ヘクタール(ジョンスタウンの上都市とほぼ同じ広さ)の広大な記念碑である「昇月の寺院」の建設に責任を負った。


それはつまり、地方総督は商人、部族長、寺院、都市などから金を集めるだけでなく、グラマーから定期的に銀を下賜されていたことを意味する。いくつか財宝庫が設置された。最初のものはボールドホームにあった。1622年、昇月の寺院の建設が進み、そこに2つ目の財宝庫が設立された。第三の財宝庫は新パヴィスに、ルナー・プラックス属領地のために設けられた。これらの財宝庫には銀が保管され、貨幣が鋳造され、少人数の書家が出納を管理していた。


アーグラスが1624年に新パヴィスを占領した際、アーグラスは新パヴィスの財宝を押収した(地方総督は財宝を持ち出そうとしたが)。昇月の寺院の財宝は「真竜の目覚め」によって失われ、「竜の憩い」 *3 と呼ばれる裂け目の底にあると信じられている。ボールドホームの財宝庫は「真竜の目覚め」の直後にカリル・スターブロウに奪われ、その年の暮れに彼女が試みた「光持ち帰りし者たちの探索」の資金になったという。



いつものように、これらは私が取り組んできたことのなかで、興味をもってもらえるかもしれないと思ったメモだ。これはカリル・スターブロウがどうやって大規模な「光持ち帰りし者たちの探索」の費用を捻出したかを考えるために書いた短いメモである。答えは、「ルナー帝国が払ってくれた」であった。


そしてこれは、私が寺院群や壮大な都市構造について書くときに、いつも考える疑問だ。——誰がそれを建設し、どのように支払いを行ったのか? 軍隊についても同じことが言える。ときにはその答えがズルであることもある――ボールドホームは誰が建てたのか? ドワーフだ!ドワーフだ! どうやって支払われた? サーターだけが知っている!


しかし、その「ごまかし」でさえ、多くのことを説明してくれる。


(Well of Daliath より)


*1:The Provincial Governor。属領地全体を統括するアッピウス・ルクシウスは属領地総督 the Provincial Overseer のため、ここでは区別して「地方総督」と訳した。

*2:Provincial Overseer

*3:Dragon Rest