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ルナー中心地の小農民社会

現在のルナー帝国の社会は『GRoY』(訳注:Glorious ReAscent of Yelm/グレッグの第一期ダラ・ハーパの設定資料集)で描かれている社会とは似ても似つかないのだが、「時」が始まって以来ペローリアで変わっていないことの一つは、都市部ダラ・ハーパ文化と農村の小農民文化の断絶である。ペローリアを語る上では、オスリア河沿い(あるいはグラマー)の都市の民と、稲や大麦(ここ数世紀はトウモロコシも)を栽培する大勢の小農民たちとの差を認識する必要がある。


ルナー中心地は約540万人が住み、そのうち約80%は農村の小農民である。多くの小農民たちがルナーの道(特に七母神)を受け入れているが、彼らはいまだ伝統的農民文化を維持している。彼らはよく言っても「半自由民」であり、自分の職業に縛られ、他人(通常は神殿やイェルム/ルナー貴族)の所有する土地で働いている。多くはこれらの集団の「所有物」なのである。彼らは、支配者により任官された役人たちが監督する村に住む。村は非常に集団主義的であり、強い同調圧力があり、慣習から逸脱する余地はほとんどない(ルナーの道をたどる場合を除く)。エジプトの「フェラー」、ロシアの「農奴」、日本の「平民」のようなものである。


ペローリアの小農民文化は、官能的で肉感的、そして時に残酷なことで有名である。特にダラ・ハーパの規範と比較すると、公然とした放蕩と酩酊がみられる。ロウドリルのカルトは、聖日に酔っぱらった大群衆が通りに繰り出すことで有名である。礼拝には常に飲酒がともない、しばしば巨大な男根(ファルス)=神のシンボルへの生贄がともなう。


穀物の女神オリアはもう一つの主要な伝統的カルトである。彼女はダラ・ハーパの支配者からは放蕩者と見なされている。オリアはロウドリルの妻であるが、また数多くの恋人をもつ(ロウドリルも同じである)。ほとんどすべての農民がオリアの平信者だが、入信者は比較的少ない(女性の4人に1人くらい)。


ロウドリルとオリアは伝統主義的であり、精神的成長その他の機会を与えることは比較的少ない。その役割を担っているのが「七母神」である。ルナー中心地では、事実上すべての人が七母神の平信者となっており、おそらく農民の4分の1以上がルナーの道に入門している。七母神の入信者は、他の人よりも大きな法的権利と手段を持ち、農民の生活の厳しい側面を緩和し、精神的な脱出路を提供している。


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