グローランサ備忘録

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ドラゴン・パスの貿易の規模

絹はルナー・ハートランド、ルナー・ターシュ、ボールドホームの上流階級の間で見られ、ノチェット市、ライゴス市、カーシー市ではごく普通に見られる。ルナー帝国が後期ローマ帝国とほぼ同レベルの絹を手に入れられると仮定すると、年間5、6トンの絹が必要となる。その比較でいくと、クラロレラは聖王国行きの船で年間10トンほどを輸出していることになる。その半分は聖王国でつかわれ、残りの半分(5トン)はカーシー市に運ばれて北行する隊商に積まれる。1トンほどはサーター(主にボールドホーム、ウィルムズカークやジョンスタウン)の上流階級が途中で抜き取るが、これは絹のチュニックにして800着分、絹のドレスで1600着分の量である。最終的に約4トンの絹がファーゼストに到着する。


一方、赤毛の隊商は、毎年2トンほどの絹を忘却王国から運んでくる。これは、クラロレラが歳貢として年間約6トンを忘却王国に送っているいる中から出ている。


理論的には、そのすべてを1つの大きな隊商で扱うことも仮定できるが、もちろんそういうことはない。各隊商に絹を積んだロバが一頭いる可能性がある(それでも絹のチュニック約60着分にはなるのだから、それなりの見返りがありそうだ!)。


これは、聖王国からファーゼストまで毎年送られている900トン近い物資のごく一部である。この物資を運ぶのは2500頭のラバ、おそらくこれでドラゴン・パスに生息する全ラバの4分の1である。


40フィートコンテナで年間約35個分だ。現代の基準からすれば大した量ではないが、グローランサにおいては大変な量である。


一つの見方として、ドラゴン・パスには常時約2500頭による「ラバの積み荷」が運行している。そのうち5隊が巨大(200頭×5隊=1000頭)、10隊が大規模(100頭x10隊=1000頭)、さらに10隊が中規模(50頭×10隊=500頭)であるとしよう。なお小隊商は純粋にローカルなものであり、無視することにする。


そして、この25隊の隊商の場所は、純粋にロジスティクスの問題である。1季節は56日なので、およそ1日おきに隊商が到着することになる。


つまり、聖王国から来る主要な貿易道路沿いのジョンスタウンなどでは、だいたい1日おきに隊商が到着していることになる。おそらくルナー帝国からも同程度の量が来ていると思われる。これらの隊商はサーター王国の生命線であり、王国の経済を考える上では、そのことを念頭に置いておく必要がある。


ドラゴン・パスでの隊商の規模は5500~6000頭(聖王国から2500頭、ルナー帝国から2500頭、プラックスから500頭)で、これはドラゴン・パスの全ラバの半分以上と思われる。


これは海洋の大開放に伴う交易の大爆発の一部であり、興味深いことに、赤の皇帝がドラゴン・パスに個人的な興味を抱く時期にあたっていた。