グローランサ備忘録

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カリルの仲間衆

1625年の闇の季、カリルは公王として戴冠した。多くの支持を得た地域もあれば、全く支持を得られなかった地域もある。彼女はコリマー部族、リスメルダー部族、ロカエム部族、バルミール部族を解放しなかった。ポル・ジョニや他のプラックス人からの支持もない。しかし、ケルドン、クルブレア、アランウィース、サムバリ、そしてシンシナの間では絶大な支持を受けている。そこから仲間を集めているのである。


彼女が戴冠したとき、信頼でき、彼女が必要と考えることを一緒にやってくれる輪が必要だった。そこで彼女は、仲間たちや親族に加えて、いくつかの友好的な氏族や部族から仲間を集めた。


ランデラ“炎の目の”インステリドは、彼女の出身氏族である黒岩の氏族からの親類だ。彼らについて少し考えてみよう。黒岩の氏族はケルドン部族を代表する氏族であり、周知のように、サーターがこの地に来たとき、“狼殺し”アーナールディニがケルドンの輪にいた。彼らは主に母系制をとっており、聖なる頂とラムネット砦の周辺に領土を有している。もちろんボールドホームにも居住している。ケルドンはおそらくすべての部族の中で最も都会的な部族である。彼らは4つの氏族からなる小さな部族で、聖なる丘に囲まれ、ボールドホームの郊外の豊かな土地に住んでいる。古代ギリシャのフォキス人のようなものと思ってほしい。


インステリドはイェルマリオのカルト信者で、カリルの母方のいとこである。彼女は「ボールドホームの戦い」以来、カリルの忠実な護衛を務めている。ランデラもまた近親者であり、オークフェドの精霊結社に参加し、早い時期にカリルの天空への関心に巻き込まれた。おそらく1605年にカリルが初めて自分の星を求めたとき、彼女は21歳だった(RQGのキャラクター開始年齢!)。 つまり、カリル、インステリド、ランデラという3人の血縁の女性がいたということだ。これは、物語によくある放浪する男の血縁者の逆バージョンと言えるだろう。


そして、カリルの「天空」への傾倒も興味を引くところだ。彼女は「上なる如く、下もまた然り」という公案を知っている。多くの点で、彼女は第二期のダラ・ハッパ人にふさわしかったかもしれない。彼女のクエストは、カリル、ランデラ、インステリドが何十年もかけて作り上げた天空の地図に基づいている。もちろん、カリルは〈天界知識〉を85%以上あるが、オーランスの〈カルト知識〉はそれよりも低い。そのため、彼女は光持ち帰りし者たちの輪を使わない。ウーマスは天界の存在であったので、その方が彼女には馴染みやすかった。


オーンゲリン*1は、シンシナ部族のグリーンハフト氏族の出身である(ただし、スターブロウの反乱まではクルブレア部族であった)。反乱の際にカリルを支援するために戦士を率いて現れ、それ以来彼女の副官として活躍している。彼は「風の王」であり、戦いの際、敵に張り付き、カリルに全力を尽くす時間を与えることから、「掴んで放さぬ」という二つ名で呼ばれるようになった。もし私が“狼の皮剥ぐ”イヴァルサ*2であれば、この男を注視しつづけているだろう。特に、カリルが彼をジョンスタウン長官に任命した後は。


アーナルデスタはクルブレア部族の大地の女祭だ。彼女はクリアワインの大地の寺院を支配するチャン王朝の一員ではない。ベネバ・チャン*3は、カリル・スターブロウに敵意をむき出しにしていた。チャン王朝はスターブロウを野心的な邪魔者とみなしている。アーナルデスタは当初からスターブロウを支持しており、現在はその報酬を受け取っている。


エルマランドティはクルブレア部族の嵐の声である。彼は河のニンフの恋人で、今はボールドホームの風の神殿の大司祭に据えられている。


友好的な部族の王としては、カリルはシンシナ部族、クルブレア部族、テルモリ族、アランウィース部族、サムバリ部族の指導者たちがあげられる。つまり、“皮剥ぎ”イヴァルサ女王、クルブレア部族のラナルフ王。またテルモリ、アランウィース、サムバリの指導者たちであれば誰でも(“トロウル殺し”ジョナートがアランウィース部族の現在の指導者だろう)。そして、ダックたちもカリルを支持している。


反対派はコリマー部族、とくにチャン一族とレイカである。レイカはカリルをよく知っていて、一緒に亡命していたこともある。二人ともブライアン王の副官だったが、レイカペンネル浅瀬に残って戦い、カリルは天空の世界で舟星のクエストに参加していた。ブライアンがルナーの魔道によって殺されたとき、レイカはその場にいたが、カリルは「真竜の目覚め」の陰謀に関わっていた(これはレイカとカリルの両方を恐怖に陥れるものだった)。レイカはカリルに対する一族の敵意を共有しており、カリルを野心的なライバルとして見ている。レイカはサーター最大の部族のリーダーとして、カリルを自分よりリソースの少ない同格者と見ている。


チャン一族(エレナヴァとエラニナの姉妹*4、またアーナルドリ氏族)は、1613年以来、様々な理由でカリルを嫌っている。彼らは自分たちが追放されたのは反乱を起こしたカリルのせいだと考えている。


ポル・ジョニ族は、“白き雄牛の”アーグラスを支持しているため、カリルに敵対している。マラニ族もまた、ラーンステイの卓が彼らの土地にあることを理由にルナーの報復を恐れており、彼女に強い疑念を抱いている。


カリルはヴォルサクシの中でも意見が分かれる存在である。ブライアン王のマントと剣と兜を手に入れることを望む者もいれば、ブライアン王の暗殺に立ち会わなかったことを非難する者もいる。


しかし、結局のところ、カリルの最大の敵は自分自身である。彼女はプライドが高く、傲慢で、気性が荒く、すぐに怒鳴り散らし、人を非難する。サーターという王国への忠誠心は揺るぎないが、それを愚か者や臆病者によって台無しにされることは許さない。そのため、見知らぬ人と一緒に仕事をするのは難しく、その者は彼女の信頼を得なければならない。そのため、自分が信頼している人たち、つまり狭い範囲の人たちを頼りにすることになる。


カリルはオーランス人の中でもより偏狭で部族的な相を持つ人物で、“雷鳴轟かす”オーランスのカルトの影響を受けていると考えることもできる。彼女のアプローチは天空指向で、驚くほど保守的である(ただし、彼女の極星とのつながりは、不穏であると同時に宇宙論的に調和がとれている)。


アーグラスはオーランスの“冒険者オーランスの伝統を受け継ぎ、保守的でも、偏狭でもない存在である。彼の人生はオーランスの神話を反映しているところが多い。このことは、なぜ彼が光持ち帰りし者たちの探索で成功し、カリルが成功しなかったかを説明するのに役立つかもしれない。あるいは、そうではないかもしれない。

参考:『グローランサ年代記』より


頭目ロライコンの娘カリル・スターブロウ
夜番。黒岩の氏族の“炎の目の”インステリド
荷運び。グリーンハフ氏族の“掴んで放さぬ”オーンゲリン
物見。ジェレンディング氏族の“竜族の友”オーラロント
火の番。黒岩の氏族のオフィアーの娘ランデラ
水番。青トウビの氏族のエルマランドティ
料理人。遠いねじれ樫の氏族のエンダルの息子オレンデ
呪文使い。ジョンスタウンの“紫の”ミナリス
癒し手。エルケンヴァル氏族の“活力の”アーナルデスタ
歌い手。白水晶の氏族の“泣き笑いの”オーランダ

*1:現ジョンスタウン長官。のちにアーグラスの配下に加わる

*2:シンシナ部族の族長

*3:1613年当時のコリマー部族の王の妻で、大地の大女祭

*4:マスタースクリーンパックの「GAMEMASTER ADVENTURE」にルーンクエストのステータスが載っています。