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サーターの通貨

サーター王朝の時代、公王は貿易に使用するために「ソブリン」または「ギルダー」と呼ばれる銀貨を鋳造した。これはルナー帝国で使われていた銀貨(ルナー「L」と呼ばれる)を模したもので、重量や銀の含有量が同じであり、その結果、価値も同じであった。この貨幣は非常に流通量が多く、テシュノスやラリオスなど遠く離れた土地でも使われていた。聖王国の通貨を模したクラック(「C」)と呼ばれる銅貨は、小規模な取引に使用された。


ルナー占領期には、ルナー銀貨がドラゴン・パスにあふれ、「ルナー」が銀貨の標準となった。ルナーの流通は旧サーターのギルダー以上に広く、フロネラ、ジルステラ、クラロレラといった遠くの市場でもルナー銀貨を見かけることができた ----たとえ商人が誰ひとりとしてルナー・ハートランドの人間を見たことすらないとしても、である。1625年のサーター解放後も、ルナー銀貨が主に流通していたが、1627年からは新王朝が銀貨を大量に鋳造し始めた。


金貨は主に貿易や貢納などの大きな取引に使われる。「金輪貨(ホイール)」(「W」)は荷車のカルトが鋳造した古い通貨で、日常生活で目にすることはほとんどないが、決済に広く使われている。サーター王朝は自国の金貨を鋳造することはなかった。


だがそれにもかかわらず、日常の取引のほとんどは物々交換であった。僻地の部族では、金輪貨ではなく、牛が決済手段であった。また銀貨よりも家畜や穀物で交換されることが多かった。ただ、これらの交換は主に同部族のなかで行われ、よそ者や外国人が関わる場合は、最も伝統的なオーランス人であっても硬貨が好まれた。