グローランサ人から見た歴史スケール

アーカトは1200年前に死に、消えてしまった。
アーカトには広く普及したカルトはなく、荒唐無稽な話が囁かれているいくつかのほの暗い集団があるだけだ。

グローランサの歴史を理解しようとするとき、私はいつもアレキサンダーのギリシア時代に身を置き、振り返ってみる。

現在＝太陽暦1627年

10年前　ルナー帝国がヘンドリキの地に侵攻
25年前　ボールドホームがルナー帝国に陥落
50年前　灰色熊峰の戦い
100年前　サーターの神格化
300年前　ベリンターが聖王国を統一
500年前　ドラゴンキル戦争(1120年)
1000年前　ドラゴン・パス王国の成立。この後EWFが登場
1500年前　第二評議会。ゲナーテラを支配するゼイヤラン人がペローリア騎馬民と戦う
2000年前　我が戦い、皆が勝った、連合の戦い。この後ヒオート王国が誕生、約800年続く（グバージが破壊するまで）
2500年前 　連合の戦いまで続いた混沌の時代
3000年前　氷河期
5000年前　ヴィングコット人
10,000年前 　オーランスがイェルムを殺す

アレキサンダーのギリシャ時代（紀元前330年）と比較すると

10年前 　フィリッポス王がフィリッポポリスを建立
25年前　神聖戦争
50年前　レウクトラの戦い（前371年）
100年前 　ペロポネソス戦争の開始
300年前　新アッシリア帝国の崩壊
500年前　新アッシリア帝国
1000年前　トロイア戦争
1500年前 　バビロンの隆盛
2000年前　サルゴンとアッカド帝国
2500年前　ギルガメシュがウルクの王となる
3000年前 　メネス王のエジプト統一（第一王朝）
5000年前　チャタル・ヒュユクやジェリコなどの新石器時代の都市
10,000年前　新石器時代の始まり
 

つまり、アーカトの戦争は、1625年においては、アレキサンダー時代のギリシャ人がヘラクレスの時代を見たように見られることになるのである。矛盾と不整合に満ちたものになるだろう。
ある物語では、アーカトは強大な英雄で、正義の塔の上でグバージを倒したり、嫌われ者の“鉄のヴロクの”パランギオとその軍団を倒したりする。別の物語では、アーカトはトロウルの怪物で、人を食う悪魔やトロウルの軍団を率いて、行く手を阻むすべての人や物を破壊し、人間をトロウルに服従させる。また、悲劇的な無神論者や人間論者であり、光持ち帰りし者たちを拒み、憎しみと闇を受け入れることを選ぶ者でもある。また別の物語では、彼は彼自身と戦う。グバージに与えた傷の一つ一つが、彼を血まみれにし、苦しめる。
 これらの物語は、ある種の正典的な順序やサイクルに沿ったものではない。アーカトの物語は数多あり、学者たちはその多様性を嘲笑している。